美しい人〜とある真夏の夜に〜

Travis Japanとしめかけくんとわたし

目指すあの場所まで

前回「何人でもTravis Japanだ」と書いた。
私のそんな気持ちを嘲笑うかのように、またひとりメンバーが私には見えないところへ行ってしまった。

不穏な噂は耳に入っていた。
でも、ヲタクをしている人ならみんな何度か(いや、たくさん)そういう経験はあるだろう。出どころのわからない噂。特にJr.界隈では退所はよく話題になる。
今回は正直そんな訳はないという気持ちが強かったのもあるが、何より私の気持ちがTravis Japanに何か起きることを拒否していたので、強い否定をしていたというより、やんわり聞かなかったことにしていた。それでも多少ならぬ胸のざわつきは覚えた。
でも意識にのぼらないようにしていたので、それが正確にいつのタイミングだったかは覚えていない。

今年の9月は帝国劇場でジャニーズYOU&MEアイランドが上演されていて、私の自担こと七五三掛龍也くんとTravis Japanはそれに出演していた。
夏の夜に儚げに光っていた幻のような彼らは、帝国劇場のステージではっきりとした輪郭で眩しいくらいに輝いて立っていた。
うまく言えないのだけれど、夏のあの日の最後、EXのステージに立っていた彼らは確かに光っていて、確かな方角を指し示していて、星のようだった。怒涛のステージで燃え尽きたその一欠片が輝き出して星になったみたいな感じ。消えてしまいそうな揺らぎもなく、きちんと私達に向かうべき方角を指し示していて、凛として光っていた。ただとってもとってもとっても小さな光だった。
それが、帝国劇場で見た彼らははっきりとした輪郭で、煌々と輝いていた。今、ここにいる、という感覚。そういう存在感だった。太陽のようだった。
あまりに強くて、驚いた。
強い男だと普段からあれほど言っている私が驚くくらいに彼らは強い光を放っていた。
これから「どこに向かう」ではなく、「今」「ここ」にいる。
毎公演がそれの繰り返しなのだ、と私には感じられた。

彼らはやってのけた。6人でのステージを。
人数が変わる度、形を変えてきた彼らは、またもや新しいTravis Japanを完成させてしまった。
それは正直悲しくて寂しくて悔しかった。
辛いことをどんどん受け止めてしまう彼らが悲しかった。大好きな彼らには辛い現実に直面して欲しくなかったし、直面してもそんなの受け入れられないって跳ね返して欲しさすらあった。
でも彼らは受け止めてしまった。それが悲しかった。
悲しくて守りたかった。運命を背負いこんでいってしまう彼らを。
でも、それなのにちっとも可哀想じゃない彼らが誇りでもあった。すごく嬉しかった。

だから、6人での『夢のHollywood』を少年倶楽部でやるのは新しい時代の幕開けみたいでわくわくした。
もちろん、一緒に立っていたはずだった彼、彼、そして彼の顔が浮かんだ。悲しさも寂しさも悔しさも全部飲み込んでしまおうと思った。そんな簡単なことじゃないけれど、そう思った。
私の大好きなTravis Japanの一瞬の輝きをみんなに見てもらいたかったし、これから訪れる明るい未来に想いを馳せていたかった。
放送日、本当に幸せだった。
6人のTravis Japanも大好きになっていた。

その翌日がジャニーズYOU&MEアイランドの千穐楽だった。
私はその1週間も前に最後の観劇を終えてしまっていたので、お留守番だった。
流れてくるレポという名の大量の文章にひたすら殴られた。
蓋をして見ないふりをしてきたのに、あまりに急激に現実味を帯びた言葉にボコボコにされた。
狼狽えていた。いろんな感情が溢れ出して、よくわからないけれど泣いていた。
これからみんなで頑張ろうという時にひとり、またひとりと人がいなくなった。
信じてほしい、本気だ、頑張る…
いろんな言葉がフラッシュバックした。
何を信じていいかわからないと思ってしまった。

程なくして新しい号の雑誌が出た。5人だった。
お仕事も発表された。やはり5人だった。
そうか…
正直怒っていた。
なんで今なの…と心の中で叫んでいた。
大好きなのに嫌いになりそうだった。
いや、大好きだからこそだった。
信じていたからこそだった。
私は7人のTravis Japanが大好きだったけど、6人のTravis Japanも本当に好きだし、応援するって思ったのに…なのに…
大好きなのに、勝手にどっか行かないでよ!
私もっと見たいよ!ばかやろう!
なんで泣いたの?大切なものは何?本気って何?
勝手にいなくなるなんて認めないから!
本当はありがとうとか好きだよとか言いたかった。
彼の事情はわからない。一ファンが本当のことを知る由もないし、知りたくもなかったし…
もしかしたら、責めてはいけない致し方ない事情があったのかもしれないね…
でもそれが正直な気持ちだった。
(ごめんなさい)
それと同時に怒っている自分にも怒っていた。何動揺してるんだ、ばかやろう!と。

私は私なりに、輝く笑顔の持ち主で優しくて頼もしいエンターテイナーで、実は無邪気な最年少の彼のことが好きだった。いろんな先輩に可愛がられる、グループを超えた華麗なる視線泥棒はTravis Japanのファンとして誇りでもあった。自慢のメンバーだった。
ステージに立ってる姿かっこよかったよ!

もう彼の姿を見られないかもしれないんだ…という喪失感は徐々にやってきて、少しずつ理解しているけれど、私はまだ実感はできていない。
心のどこかでは、しれっと戻ってこないかな…なんて思っている。
たくさん泣いてたくさん怒ったけど、泣き損怒り損にしてくれていいよ?
戻ってきたら…心配したんだぞ、ばかやろう!ってうみんちゅみたいにポカポカ殴るよ。多分泣きながら。

でもね、私はまたきっと新しいTravis Japanのことも好きになるんだろうなと思っている。

そんなこと自担じゃないから言えるんだって言われそうね。そうだと思う。
Travis Japanのことが好きで応援したい気持ちがあっても、そこに自担のいないことを直視できないという気持ちは察する。
Jr.担にとって自担が退所することは決して他人事ではないから何度も想像しようとした。突然そんな日がやって来たとして、私が普通に日常生活を送れるはずもないから、縁起でもないけど少しそういうことは考えておいた方がいいんじゃないか、と。
でもできなかった。
だから今一番心を痛めているファンの人の気持ちはきっとわかっていない。
私のフォロワーさんにも何人か去っていったメンバーのファンがいる。
私は直接に何も言えなかった。
それでももし何か伝えるとしたら、いつでもまたTravis Japanのことを応援して下さいってことかなぁ。
本当に私の勝手な考えでしかないけど…
今いるメンバーが今の人となりでいるのは、例え意識していなくとも今まで関わった人達の影響を受けていて、その人達の想いを受けているからだと思う。
顕嵐がいて拡輝がいて美勇人がいて朝日がいたから、今の如恵留、しめちゃん、ちゃかちゃん、閑也、うみんちゅがいる。
そんな現メンバーが築き上げていくこれからのTravis Japanにはそういう過去に携わった人達の想いや汗水も詰まってるんじゃないかなぁ。綺麗事って笑うかもしれないけど、私は本気で思っている。
辞めていった彼らが一緒に過ごした年月や一緒に流した汗や涙は消えないし、とても大切なものなのはこれから先も変わらないと思う。
だからステージ上に一緒に立つ彼らの姿はないかもしれないけれど、彼らのファンにはいつでも戻ってきてくれたらいいなって私は個人的に思っている。
過去のメンバーはもちろんのこと、今まで応援してくれたファンの方々がいるから今の彼らがいるし、こうして私が彼らを見つけて応援することができた。だから、すごく感謝している。
離れていく人も一旦お休みする人もいると思う。
きっと私なんかよりずっと心乱されたに違いない。
一生懸命駆け抜けてきただろうから…お疲れ様でしたと労いたい。それがなんの癒しにもならないことはわかっているけれど…
またいつかTravis Japanの作る景色をTravis Japanを大切にしてきてくれた人達と一緒に見ることがあればいいなぁ…と思う。

過去への想いと感謝と同時に、私なりの今を支える人間としての気持ちがある。
私はTravis Japanを応援してまだ日の浅いひよっこファンだ。でも今を支える一人ではいるつもりだ。
Twitterにも書いたことがあるが、これは気概だ。今を支えている者としての気概。
今を作るのは今いるメンバーであり、今を応援する人々。
今を生きなくてはいつかは来ない。
Travis Japanを応援し始めてから、びっくりするほど濃い日々で、たくさん涙もしたけれど、それでも後悔はしていないし、Travis Japanが大好きだ。
だから私は涙を零しながらでも、Travis Japanは最高だぞって大声で言う。言い続ける。

日生劇場では昨日からABC座が始まった。
今こうしている瞬間も5人はステージに立っている。
5人の姿、「今」をきちんと目に納めてくる。

物語はまだ続いている…